機械性
人間性
共有
美
実験
ここで言う「間」とは人間と機械の間に存在する空白や領域を意味する。
それは視覚的な「間」であり、感覚的な「間」であり、物理的な「間」でもある。
私が立てた問いは「美しい服とは何か」であった。当初、美しい服とは、寸法や計算がぴったりと合い、
ズレがないことが条件であり結局のところそれが最も大きな要素であると感じた。
美しい服は、数字やデータが揃って初めて正確に作動する機械やAIの特性と似ている
だが、服というのは人間が着るためのものだと思う。
そこには人間の動物的な美しさ、曲線や揺らぎ、身体の持つ不完全性が必ず介在する。
私は、機械的な数理の美と、人間の動物的な美を共有することによって、新しい美しさのベクトルが生まれると考えた。
服という存在はもともと、人間のものである反面、同時に機械的な側面も抱えている。
人間的な美と機械的な美を掛け合わせることができるのは、服の大きな特性のひとつだと思う。
しかしながらこれはあくまで概念的な考察にすぎない。
ゆえに今回は、このアイデアを試験的にデザインとして服に落とし込み、視覚的に検証する一種の実験として取り組むことにした。