Original

ダメージの入った麻とビニールのテキスタイル(ディテール)

透明なビニールでダメージの入った麻を封じ、
「人間性と機械性」「風化と保存」を一枚の表面に共存させるテキスタイル。

このテキスタイルは、透明なビニールと

ダメージを受けた麻布を圧着することで生み出された。

ビニール面の光沢テクスチャ

人工的で機械的な素材であるビニールと、

自然由来で時間とともに劣化・風化していく麻

という対照的な素材を重ね合わせることで、

異なる性質の拮抗を一枚の布に封じ込めている。

麻の裂けやほつれのディテール

麻布には裂けやほつれといった「不完全さ」が刻まれている。

これは人間の身体や存在に宿る不可避な傷や、

時間の経過による変化を象徴している。

一方で、それを包み込むビニールは風化せず、

透明で冷たい膜のように傷を固定し、永続化させる。

サンプルスワッチ(リング綴じ)

この布は、「不完全さを内包しながらも、

人工的な機構によって保存され続ける」

といういわゆる AIDA を体現している。

人間性と機械性、風化と保存、儚さと永続性。

その相反する関係を一つの表面に同居させることによって、

時間に抗う布地として成立している。